トリプトファン(必須アミノ酸のひとつ)の働き2021.4.8
トリプトファン(必須アミノ酸のひとつ)の働き
トリプトファンには、精神安定効果があり
不眠症やうつの症状を改善する働きがあります。
トリプトファンは次のような方におススメします。
・不眠ぎみ
・うつ症状がある
・不安感や恐怖心が強い
**精神を安定させる**
トリプトファンは牛乳から発見された必須アミノ酸のひとつです。
乳製品、大豆、小麦麦芽などの様々な食品に
ごく微量に含まれています。
トリプトファンが血液から脳に運ばれると
ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムとともに
セロトニンを生成します。
セロトニンとは
・精神安定
・鎮静
・催眠効果
のある神経伝達物質です。
セロトニンは脳の松果体によって
メラトニンに変換されます。
メラトニンとは
・睡眠サイクルを正常にする
・活性酸素を減少させる
などの作用があります。
また、トリプトファンは、ドーパミン、ノルアドレナリンといった
神経伝達物質の生成過程に関与しています。
これまでの研究でトリプトファンは、脳や行動障害の治療に
効果があるとされており、不眠やうつの治療にも期待されています。
その他にもトリプトファンの効果として
・免疫系に働きかけてガンを予防する
・コレステロールや血圧を調整する
・性機能回復
・更年期障害の症状の緩和
などの幅広い効果が期待されています。
**摂取についt**
トリプトファンが不足すると精神的に不安定になり
睡眠障害を起こすことがあります。
摂りすぎると肝臓で脂肪の変化を起こし肝硬変を招く可能性があります。
肝硬変になると、セロトニンが増加しすぎて昏睡状態に陥ります。
トリプトファンは催眠剤や鎮痛剤に用いられることがありますが、
長期にわたっての服用は危険です。
**豆知識**
人間の体は約10万種類のタンパク質からなっています。
これらはわずか20種類のアミノ酸から作られています。
20種類のアミノ酸のうち9種類は人間の体内で合成されないため、
食品から摂取する必要があります。
これを「必須アミノ酸」と言います。
トリプトファンも必須アミノ酸のひとつです。
※今回の記事は則岡孝子先生監修「栄養成分の事典」を参考にしました。
※このブログは診断や治療、医療のアドバイスを提供しているわけではなく、情報のみを提供しています。このブログの情報は医療専門家からのアドバイスに代わるものではありません。