睡眠の質が健康のカギ 2021.10.19
睡眠の質についての説明
年齢よって睡眠の質や抱える悩みは変化する
心身の健康に影響を与えるのは、ストレスだけではありません
睡眠の質や時間が心身に影響することが様々な研究で明らかになってきました。
2014年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、5人に1人が
「睡眠で休養が十分にとれていない」
と回答しています。
この背景には
- 社会の高齢化
- 健康感の欠如
- 持続するストレス
- 生活リズムの乱れ
- ライフスタイルの多様化
など様々の要因が関係していると考えられます。
また、睡眠に関する思い込みや誤解が睡眠の悩みの原因になっていることもあります。
睡眠が8時間必要という誤解
よくあるのが「睡眠には8時間睡眠が必要」という誤解です。
睡眠の量は高齢者になるほど減少する傾向にあります。
65歳以上の人が「8時間眠らなければいけない」と無理に布団にしがみつくことが
“ねむれない”
と感じる原因になってることもあるのです。
必要な睡眠時間は、年齢だけでなく、体質や日中の活動量によっても異なります。
睡眠時間の長さだけにこだわり過ぎないようにするのも大事です。
睡眠の正しい知識は「睡眠12か条」から
2014年3月、厚生労働省は「健康づくりのための睡眠指針2014」で睡眠の大切さ、適切な睡眠の量や質、心身の健康との関係について、考え方や知識具体的な実践事項などを睡眠12か条として紹介しています。
<睡眠12か条>
第1条 良い睡眠で、体も心も健康に。
第2条 適度な運動、しっかり朝食、眠りと目覚めのメリハリを。
第3条 良い睡眠は、生活習慣病予防にもつながります。
第4条 睡眠による休養感は、心の健康に重要です。
第5条 年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を。
第6条 良い睡眠のためには環境づくりも重要です。
第7条 若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。
第8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
第9条 熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動でよい睡眠。
第10条 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
第11条 いつもと違う睡眠には要注意。
第12条 眠れない、その苦しみを抱えずに、専門家に相談を。
睡眠不足で生活習慣病に
睡眠が不足すると、体に様々な変調があらわれます
例えば、睡眠時間が短くなると次のようなことが起こります
- 満腹感を起こすホルモン(レプチン)の分泌が低下する
- 食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増える
- 糖をエネルギーに変換するインスリンの働きが悪くなる
- 肥満や糖尿病などの生活習慣病を起こしやすくなりる
このように睡眠不足は心の健康にも大きな影響を与えます。
睡眠と鬱・アルツハイマーの関係
65歳以上で寝つきの悪い人は、3年後にうつ症状(抑うつ気分)をもつ確率が高くなるという報告があります。
さらに、アルツハイマー型認知症の患者の脳内で大量にみられる老廃物は、睡眠の量が不足したり、質が低下したりすると、その蓄積が促進されるとの報告があります。
この老廃物は、睡眠によって排出が進むことが分かっています。
※今回の記事は日本健康マスター検定」公式テキストを参考にしました。
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