汚れた腸から老化は始まる 2022.3.28
今回は汚れた腸と活性酸素についてのおはなしです
腸内環境と便秘
歳をとるにつれて善玉菌は減ります。
腸内環境も崩れてきます。
若い時には張りがあった腸がゆるみ、腸粘膜も薄く頼りない感じになります。
肌が衰えてたるんでくるのと同じです。
ぜん動運動も不活発になるので、便秘に悩む人が増えてきます。
このような腸の老化が進行するにつれて、肌がくすみ、シミ、シワも目立つようになります。
歳をとるとある程度は仕方ありません。
ところが、若いのに常に悪玉菌が多く、腸年齢が実年齢よりも高い人が増えています。
腸は非常にデリケートな臓器ですから、ライフスタイルに何か問題があるとダイレクトに反応します。
大量の活性酸素
腸年齢が高いということは腸の汚れが酷いわけですから、健康面でも美容面でも様々なトラブルが出てきます。
悪玉菌が増殖して腸が汚れていると、有毒ガスや発がん性物質が発生しやすくなります。
お腹に溜まるガスの量は、多い人では2~3リットルにもなります。
これを抑えるために、今度は大量の活性酸素が発生します。
活性酸素は酸素の仲間で、生命を維持するために不可欠のものです。
ウィルスが体内に侵入した時、白血球は活性酸素を利用して病原体を殺します。
腸も有害物質の毒素を取り除くため、活性酸素を出動させます。
このように活性酸素は有効な防御システムではあるのですが、増えすぎたりすると、逆に細胞を傷つけてしまいます。
細胞の老化
活性酸素の強力な酸化作用は、細胞を老化させ細胞膜を破壊します。
酸化とは簡単に言えばサビることです。
活性酸素が過剰に発生すると全身がサビてしまうわけです。
活性酸素にさらされて腸の細胞の遺伝子が傷つくと、細胞が変異を起こしてガンに発展すると考えられています。
また、腸内で発生した有毒ガスが吸収されて全身に運ばれると、からだの至る所で活性酸素が大量に発生します。
腸が汚れていると日常的にこれが起こるので、全身の細胞に与えるダメージははかり知れません。
血液も汚れ血管壁もサビてしまいます。
これまで、動脈硬化の原因として悪玉(LDL)コレステロールがやり玉にあげられていましたが、最近の研究ではLDLではなく、活性酸素に襲われて酸化されたLDLが動脈硬化を引き起こすことがわかってきました。
酸化されるとLDLコレステロールは過酸化脂質に変質して、血管壁にへばり付きます。
このように腸の汚れは血管の老化を招き、脳卒中や心臓病を招きます。
さらに皮膚も老化して、シミやシワが増えます。
腸年齢が高いと肌年齢まで上がってしまうのです。
老化を防ぐには、腸をキレイにして、むやみに活性酸素を発生させなことが大切です。
抗酸化酵素
私たちの体には、活性酸素を除去する機能も備わっています。
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの抗酸化酵素です。
これらが自動的に活性酸素を取り除き、細胞が傷つくのを防ぐ仕組みになっています。
善玉菌はこのような酵素の活性も高めます。
また、ビタミンCやEなどの抗酸化ビタミン、ポリフェノールやカテキン、βカロテン等のファイトケミカル、天然型Nアセチルグルコサミンなどの補酵素などもサビを防ぐ力を持っています。
これらは互いに連携して、体内に発生する活性酸素を除去するために奮闘しています。
もし、このような仕組みが無かったら、活性酸素の強力な酸化作用で私たちは生活習慣病にかかりやすくなります。
私たちの体は絶えず活性酸素にさらされています。
善玉菌を増やすとともに、積極的に抗酸化ビタミンやファイトケミカルを摂取して、体をサビつかせないように心がけましょう。
腸をキレイに保つことは、生活習慣病予防、老化防止、美肌づくりに大いに役立ちます。
※今回の記事は(株)文芸社制作「断食しないで断食効果」を参考にしました。