さまざまな運動の効果2021.8.12
運動の最大の効果として挙げられるのが、減量です。
1日10分間歩く時間を増やすと、標準体重の人で約30kcalほどの消費エネルギーが減ります。
それを365日間続けると約10,000kcalになります。
体重1kgは約7000kcalに相当しますので、10分間1日の運動を増やすことで1年間で1.5kgほどの減量ができる計算になります。
もちろん毎日30分運動を増やせば3倍の効果になりますが、30分間の運動を毎日続けられる人は極めて少ないです。
十分な減量効果を得るには食生活の改善を組み合わせることが必須です。
**若い血管を保つ**
運動による効果は原料だけではありません。
運動すると血管の内壁を覆っている内皮細胞から一酸化窒素という物質が分泌されます。
一酸化窒素には血管を拡張させたり、しなやかに保つ作用があり、血管が広がることで血圧も下がります。
運動によって心拍数が増えると心臓からANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)というホルモンが分泌されます。
ANPには利尿作用があり、体から余分な水分や塩分が排出されます。
これも血圧を下げることに繋がります。
さらに運動中は血液中のブドウ糖が消費されるので、血糖値が下がります。
運動を続ければ等を分解するインスリンが効きやすい体質になり、長期的に血糖値を下げることもできます。
家でゴロゴロすることが多かったり、座りがちな生活をしている人は、活動的な人に比べて糖尿病のリスクが約2倍になるといわれています。
運動にはHDL(善玉)コレステロールを増やす効果もあります。
HDLコレステロールは動脈硬化の進行を抑える効果があります。
つまり、運動は動脈硬化の予防につながります。
身体活動が多い人ほどHDLコレステロールが多いことが分かっています。
高血圧や高血糖も動脈硬化を進める大きな原因です。
運動によってこれらを改善すれば、動脈硬化を防ぐだけでなくその先にある脳卒中や心筋梗塞の予防にもつながります。
**運動と心の健康、認知症**
体を動かすことは心の健康にもつながります。
強いストレスを抱えていると、体も緊張して硬くなってしまいます。
ストレッチ等によって体をリラックスさせると、副交感神経が働き心もリラックスします。
近年、認知症は生活習慣の改善で予防できる可能性があることがわかってきました。
特に運動の継続による効果が期待されています。
6か月間週に2回、90分の運動を続けた人と、運動をしない人で、記憶力の変化を比較した研究があります。
運動を続けた人は大きく記憶能力が上昇した結果となりました。
このほか、慢性的な腰痛を和らげる働きもあります。
脳の血流がよくなったり、ドーパミンという物質が分泌されて痛みを抑える脳の仕組みが活性化するためです。
ドーパミンは楽しいと感じる運動をすると多く分泌されます。
**がん予防と運動**
日本人の死因の1位を占める「ガン」においても、体を動かすことによって予防効果が期待できることがわかってきました。
国立がん研究センターの研究では身体活動量の多い人は、少ない人に比べて発がんリスクが低いという研究結果が出ています。
肥満はガンのリスクを高めることがわかっています。
身体活動量を増やして肥満を改善することもがん予防につながります。
また、糖尿病によってインスリンが効きにくい状態は、ガンのリスクを高めるといわれており、運動によってインスリンの効きやすい体質にすることがガンに予防的に働くのではないかとも考えられています。
運動は毎日続けることが大事です。
頑張っていきましょう!
※今回の記事は「日本健康マスター検定」公式テキストを参考にしました。
※このブログは診断や治療、医療のアドバイスを提供しているわけではなく、情報のみを提供しています。このブログの情報は医療専門家からのアドバイスに代わるものではありません。