今回は2種類の食物繊維についてのお話しです。
食物繊維とは人の消化酵素で消化されない食品の成分を言います。
以前は食べカスと見なされていましたが、近年、有害物質の排泄や
栄養素の吸収、腸内環境の正常化などに有益であることが知られ、
重要な栄養素として認められています。
(則岡孝子先生監修 栄養成分の事典を参考にしました)
食物繊維には水に溶けるものと溶けないものがあります。
前者を水溶性食物繊維、後者を不溶性食物繊維といいます。
・水溶性食物繊維・・・昆布やわかめ等の海藻類
・不溶性食物繊維・・・豆類、ゴボウ、穀類等
この2つの食物繊維は微妙に異なった働きをします。
不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維です。
水分を吸収して数倍から数十倍に膨らみ、腸壁を刺激して
腸のぜん動運動を高めます。
肥満や便秘解消、腸の病気の予防に効果があります。
水溶性食物繊維とは、水に溶ける食物繊維です。
腸内で水分を抱え込んで、ヌルヌルとしてゲル状態となり、
有害成分を吸着して排泄します。
余分な栄養を吸着して、吸収を妨害するため、糖尿病や動脈硬化、
高血圧を予防します。
いずれも消化されないため、便の材料となる点で共通しており、
便秘解消に役立ちます。
食物繊維たっぷりの食事は、血糖値がゆっくり上昇しますので、糖尿病に効果的です。
一方大腸内では蠕動運動を活発にするので移動が速くなり、不要物である便は早く排泄されます。
食物繊維を上手に摂るためのポイントは、食事内容を伝統的日本食にすることです。
イモ類や根菜類には食物繊維がたっぷり含まれています。だし汁を効かせて煮物料理を作りましょう。
そこに、干しシイタケや切り干し大根、ヒジキなどの乾物を加えると、食物繊維がよりアップします。
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