日本人が不足する食物繊維とカリウム2021.7.20
厚生労働省はこれまで、日本人の食事について、
エネルギーと食塩の摂りすぎ、カルシウム不足などを伝えていましたが、
最近では「食物繊維」と「カリウム」も摂取不足であると指摘しています。
「食物繊維」「カリウム」が不足すると、高血圧や糖尿病、心筋梗塞といった
生活習慣病の要因となりますので、毎日の食生活で不足しないように
心がけましょう。
**食物繊維は肥満、糖尿病、心筋梗塞を防ぐ**
食物繊維は人間の消化酵素では消化されない成分です。
水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。
前者は海藻類やキノコ、果物などに豊富で、後者は野菜やいも類、穀類、豆類に
多く含まれています。
五大栄養素ではありませんが、生活習慣病に役立つ様々な働きが注目されています。
**食物繊維の主な働き**
糖の吸収を穏やかにして、食後の血糖値の急上昇を抑えるため、糖尿病の予防効果が期待できます。
さらに、便のカサを増やすことで排便を促します。
また、食物繊維の豊富な食品は、硬いものが多く、自然と噛む回数が増えます。
そのため、食べすぎを防ぎ肥満を予防します。
その他、小腸でコレステロールの吸収を抑える働きがあり、血中脂質のバランスを整えて
動脈硬化を防ぎます。
大腸まで届いて腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えて、便秘改善に役立ちます。
**食物繊維の摂取を増やすコツ**
まずは積極的に野菜をとることです。そして、主食を工夫してみましょう。
食物繊維は玄米や精製度の低い穀類に豊富です。
主食をこれらに替えるだけでも手軽に摂取量を増やせます。
ただ、玄米は消化されにくい傾向があるので、高齢の場合は
白米に少し混ぜたり、胚芽米にするとよいでしょう。
**カリウムの主な働き**
ミネラルの1つである「ナトリウム」と作用し合い、細胞内液の浸透圧を一定に保ちます。
ナトリウムは主に食塩の形で摂取され、とりすぎると高血圧を招きますが、
カリウムには、体内の余分なナトリウムの排出を促す働きがあります。
日本人は食塩の摂取量が多いのでカリウムをしっかりとることで、
高血圧予防に役立ちます。
**カリウムの摂取を増やすコツ**
カリウムは水溶性なので、食材の調理に工夫が必要です。
冷凍や電子レンジによる加熱などは、量・質ともに変わりませんが、
「下ゆでして、水にさらし、絞る」という調理法だと損失量が多くなります。
野菜から効率よくとるなら、生野菜サラダにしたり、塩分控えめのスープにして
溶け込んだカリウムを丸ごと食べましょう。
果物は生のまま食べられるので、カリウムの摂取源としておススメです。
ただ、糖質も多いので、食べすぎには注意しましょう。
また、穀物は、主に胚芽部分にカリウムが含まれています。
主食に玄米を使えばカリウムも食物繊維もとれて一石二鳥です。
ただし、腎臓病がある人は重症度によってカリウムを尿に排泄することが難しく、
カリウムの摂取を制限する必要があります。
※今回の記事は「日本健康マスター検定」公式テキストを参考にしました。
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