運動不足による悪影響2021.8.10
2014年の「国民健康・栄養調査」によると、男性の1日当たりの平均歩数は7043歩、女性は6015歩でした。
1997年に比べると約1000歩も減ったそうです。
歩数が減った原因の一つにインターネットの発達があります。
今ではボタン1つで買い物ができますが、かつてはお店まで行き目当てのものを歩いて探して買うのが当然でした。
また、車社会の発達も原因の一つです。
移動はすべて車で、近所に行くのも歩かなくなりました。
今後、健康のために歩く時間や運動量をいかに増やしていくかが重要です。
**運動不足と生活習慣病とミトコンドリアの関係**
運動不足になると生活習慣病が心配になってきます。
運動量が減ると消費エネルギーが減少するため、肥満が起こりやすくなります。
特にポッコリお腹が特徴の内臓脂肪型肥満は、高血糖や高血圧、脂質異常を起こしやすくなります。
身体の運動とミトコンドリアの関係が近年注目されています。
ミトコンドリアは細胞の中にある小さな器官で、酸素を使って糖や脂肪を燃焼させ、活動するためのエネルギーを作り出しています。
いわば、体を動かすためのエンジンの働きをする器官です。
体を動かさなくなると、エネルギーをあまり使わなくなります。
すると、ミトコンドリアが頑張る必要がなくなるため、次第にミトコンドリアの性能が低下していきます。
そのため、糖や脂肪が上手く燃焼されなくなってしまいます。
**体を動かす時間を増やす**
身体活動量を増やす方法として、厚生労働省で提唱しているのが、「+10(プラステン)」です。
2014年の調査では1997年に比べて1日1000歩ほど平均歩数が減少しています。
1000歩は約10分間の歩行に相当します。
そこで、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイド」では、今より10分間多く体を動かし、運動不足を解消することを勧めています。
「+10」の実践のためには、まず、普段の生活の中で体を動かす機会に「気づく」ことが必要です。
通勤時間やテレビを見る時間などあらゆる場面で体を動かすチャンスがあります。
そのチャンスに気づいたら「始める」ことが大切です。
自分が無理なく実践できるところから始めてみましょう。
国立健康・栄養研究所が、多くの研究から導き出した分析では、+10によって「死亡のリスクを2.8%」「生活習慣病を3.6%」「ガン発症を3.2%」「ロコモ・認知症の発症を8.8%」低下させることが可能であることが示唆されています。
+10の実践例としていくつかあげましたので、参考にしてみて下さい。
・階段をつかう
・別の階のトイレを使う
・昼食は職場から遠い店を利用する
・考え事をするときは、立ったり歩いたりしながら
・買い物は自転車や徒歩で
・床掃除や風呂掃除をする
・テレビを見ながらストレッチ
・洗車をする
※今回の記事は「日本健康マスター検定」公式テキストを参考にしました。
※このブログは診断や治療、医療のアドバイスを提供しているわけではなく、情報のみを提供しています。このブログの情報は医療専門家からのアドバイスに代わるものではありません。